「初心者は、まずステップバックして相手の技を見切る!」
これは達人の芦原英幸先生の指導内容です。
今回は、その理由と、具体的な稽古方法を記載します。
最初に結論です。
理由:適切な次の技が出せないから
稽古方法:初心の型1(芦原空手の型)を約束組手で
私の専門は芦原空手(芦原会館)です。
特に、芦原空手を含むサバキ系空手の初心者の方、稽古に対する視野が広がる内容ですので、ぜひ参考にしていただければと思います。
また、空手全般に共通する内容でもあるので、どなたでも参考にどうぞ。
最後には、私自身の自主練メニューの一部も記載します。
なお、今回の指導内容は、「実戦!芦原カラテ パート3」(以下書籍)の76ページ目左下に記載されています。
それでは深堀りします。
ステップバックとは
芦原空手にはさまざまなステップワーク(=足運びの方法)があります。
ステップの種類を簡単に記載すると、
・ステップバック(後ろ方向へ)・・・今回テーマ
・インステップ(前方向へ)
・サイドステップ(横方向へ)
・円状のステップ(直線的でなく曲線的な足運び)
があります。
円状のステップは、今回テーマではないので詳細記載はしませんが、「円の動き」をする上では超重要な技術です。
ステップバックとは、文字通り、直線的に後ろの位置に下がる足運びです。
相手の技を避けるために、シンプルですがなくてはならないテクニックです。
見切りとは
見切りとは、相手の技がどんな軌道で、どのタイミングで、どこまで伸びてくるか予測することです。
もう少し嚙み砕くと、大きくは以下3つのファクターがあります。
①技の見切り
②タイミングの見切り
③間合いの見切り
初心者のうちは、これら感覚はなくて当たり前です。
もちろん、私も同様でした。
理由:見切りができなければ次の技が出せないから
上述の「技の見切り」ができなければ、次に出す適正な技が何か判断がつきません。
例として、
【相手の右前蹴りに対してのサバキ】
①ステップバックで下がりながら
②左手で外受けし
③相手の外側(アウトサイド)に入り
④そこから攻撃に転じる
という動きがあります。
ステップバック後の受けは、「外受け」か「下段払い」の2択になりますが、ここで「下段払い」を選択してしまうと、相手のアウトサイドはとれず、正面同士で向かい合い、むしろ危険な状態になります。
相手から攻撃されず、自分から見て安全な位置である、アウトサイドに入ることが、サバキ技術のベースです。
初心者は、ステップバックしてまず相手の技を見て、次に出す技として何が適正か、頭に入れる必要があります。
そもそもどんな「技」が来るのかを、目で見て慣れることが一番です。
もちろん、間合い・タイミングの見切りも必要ですが、この後の段階です。
稽古方法:初心の型1(芦原空手の型)を約束組手で
では、初心者が相手の技を見切るためにまず行うべき稽古方法は何か?
一番、シンプルに体系化されている稽古方法が、芦原空手の「初心の型1」と考えております。
ステップバックからのサバキが中心で、具体的には、挙動②~⑦がステップバックからスタートします。
まずは、人を付けて約束組手方式で「初心の型1」を稽古します。
特に初心者向けでは、各挙動に対して、まずは(ステップバックで)相手の技を避けるまでとします。
技を見て慣れてから、適正な技、つまり型の技を稽古します。
まとめ
達人の芦原英幸先生の指導内容である
「初心者は、まずステップバックして相手の技を見切る!」
今回は、その理由と、具体的な稽古方法を記載しました。
理由:適切な次の技が出せないから
稽古方法:初心の型1(芦原空手の型)を約束組手で
見切りとは、相手の技がどんな軌道で、どのタイミングで、どこまで伸びてくるか予測することです。
初心者の方、まずは「相手の技の軌道」をよく見ることからスタートします。
その上で、適切な次の技が何かを理解し、稽古を重ねていきます。
「初心の型1」は、ステップバックからの挙動が中心ですので、ステップバックから見切る感覚を養うのに適しています。
さて、今回記載の「初心の型1」は初心者向けとされています。
芦原空手のカリキュラム上でも白帯で一番最初に習う型ですが、実は黒帯の私も自主トレに取り入れていますので、その理由を記載します。
繰り返しになりますが、「見切り」を細分化すると、
①技の見切り
②タイミングの見切り
③間合いの見切り
の3つです。
特に「②タイミング」・「③間合い」の見切りを完全に習得できたとしたら、相当な武力が得られます。
「初心の型1」を実戦で使うためには、適切な「②タイミング」・「③間合い」を習得が必須です。
もちろん他の型でも同様ですが、特に「初心の型1」は各挙動がシンプル故に、ゴマカシが効かないです。
私が自主トレに取り入れている理由は、「タイミング」「間合い」の習得が必須のシンプルな挙動のため、繰り返し稽古すると確実に武力が上がると考えているからです。
ちなみに、通常構えに加えてサウスポーからの「初心の型1」も稽古メニューとしています。
最後に、私は15年以上前に空手を始めて、最初に習った「初心の型」を今でも稽古しています。
初心者の時はただの審査項目と思っていましたが、やり込めば武力が上がると気付いたのは黒帯になって数年してからです。
レベルに応じて、意味・効果の理解が変わるということは、それだけ奥が深い技術の稽古をしています。
私は、奥深い技術を追求すること自体がとても面白く、面白いと感じることが本ブログコンセプト「生涯武道」に繋がっています!
今回は以上です。
今回紹介の「初心の型1」が最も分かりやすく解説されているのが以下書籍(冒頭と同書籍)です。
以下商品は、公開されている全ての「芦原空手の型」を網羅、芦原空手独自の体の使い方を学べる「基本」編もセットです。
以下記事も参考にどうぞ!