久しぶりに中国拳法「太気拳」の本を読みました。
今回はその太気拳書籍の中から、技術面で芦原空手に共通すると思った内容を2点だけ記載します。
最初に結論です。
①つねに柔らかく動き組手における変化に対応する
②相手の攻撃の初動をつぶす
私の専門は芦原空手(芦原会館)です。
芦原空手を含むサバキ系空手の関係者の方、技術向上に繋がれば幸いです。
また、芦原空手は直接打撃制(フルコンタクト)です。
2つの異なる武術での共通点ということは、直接打撃武道全般に通ずる内容であると解釈できるので、どなたでも参考にしていただければと思います。
最初に注意書きとして、私は太気拳を含む中国拳法をどこかに習いに行ったことはないです。
書籍・動画による完全な独学です。
中国拳法本職の方から見ると、見解が違うかもしれませんが、そこはご容赦頂ければと思います。
それでは深堀りします。
書籍紹介
今回読んだ本は、以下の岩間統正先生の「生きること、闘うこと、太気拳の教え」です。
岩間先生は空手でも相当な腕前で、少林流空手の最高師範でもあります。
書籍では、中高年サラリーマン空手家の私に刺さる内容が、本当に数多くありました。
全部は書き切れないので、今回は技術的な内容を2点だけ記載します。
①つねに柔らかく動き組手における変化に対応する
書籍47ページ目より、引用します。
太気拳の構えは、水中に漂う水草のように揺らめいています。
なぜかというと、相手の流れを読んで、それに調和しながらつねに柔らかく微動することで、仮に蹴ってきた場合でも、簡単に拍子を合わせることができるからです。
また、技の起こりは流れのなかにあるので、静止した状態から始動するより、はるかに速い反応ができます。
以下は、私の心に刺さり続けている芦原空手の技術ビデオのナレーションです。
つねに柔らかく動く。
柔らかさはより強力なインパクトを秘めており、相手のどんな変化にも対応できるのである。
芦原空手のナレーションから、
「パワー・筋力をアップしても、実際の戦闘用の動きでは力を抜く必要がある」
ことがよくわかります。
太気拳においては、相手の初撃に対して、速く反応するためには、構えの時点から常に柔らかく微動すべきとの指導です。
柔らかく動くことで組手における変化に適切に対応できることは共通しています。
私としては、本書の「つねに柔らかく微動」のフレーズを読んだ瞬間、芦原空手のナレーションが脳裏によぎりました。
繰り返しになりますが、戦闘用の動きでは力を抜いて、常に柔らい状態をキープすべきです。
②相手の攻撃の初動をつぶす
書籍48ページ目より、引用します。
攻撃を受ける側の立場に立って考えてみると、相手が一番力を出すところで受けるということは、ホームランを打たれるのと同じで、リスクが大きすぎます。
タイミングをずらして、凡打やファール、空振りや見逃しにさせてしまえばいいのです。
そのためには、相手の攻撃が来るのを目でとらえて、それから対応していては間に合いません。
ベストなのは、相手が攻撃を仕掛けようとした瞬間に間を潰すことです。
芦原空手では、相手の攻撃に対して、自分の攻撃もしくは受けを当てる理想のタイミングは以下3つとされています。
1)相手が攻撃に移る直前(初動時)
2)相手の攻撃の最中
3)相手の攻撃が終わった後
これらの内、最も難しいが、最も効果的な攻めのタイミングが、1)の初動時です。
太気拳の「相手が攻撃を仕掛けようとした瞬間」と共通するタイミングです。
これは武道全般に通ずる真理であると、改めて認識しました。
ただし、「相手が攻撃を仕掛けようとした瞬間に間を潰すため」=「相手が攻撃に移る直前に攻めるため」の挙動・稽古方法は、芦原空手と太気拳では違います。
ここは武道の核心の部分です。
もちろん今回書籍に記載されていますが、長くなりすぎることと、本当に奥が深いので、専門でない私が書くのは控えさせていただきます。
興味がある方は、ぜひ今回書籍を手にとって読んで頂ければと思います。
芦原空手の「初動を捉えるための稽古方法」は、以下記事に記載しましたので、参考にどうぞ。
まとめ
太気拳書籍「生きること、闘うこと、太気拳の教え」から、技術面で芦原空手に共通すると思った内容を2点記載しました。
①つねに柔らかく動き組手における変化に対応する
②相手の攻撃の初動をつぶす
柔らかく動くことで組手における変化に適切に対応できることは共通しています。
相手が攻撃を仕掛けようとした瞬間、つまり相手の初動と捉えることが、理想の攻めのタイミングです。
芦原空手を含むサバキ系空手の関係者の方、これらを理解した上で稽古することで、サバキ技術向上に繋がれば幸いです。
また、2つの異なる武術での共通点ということで、直接打撃武道全般に通ずる内容であると私は解釈しています。
最後に、今回記載内容はほんの一部にすぎないことと、記載されている技術は本当に奥が深く、本職でない私には理解が難しい内容もありました。
理解が難しいレベルの奥深い技術・稽古に触れることで、自身の武術が少しでも向上できたら、とても素晴らしいことと私は考えています。
このような形での武術向上は、本ブログコンセプト「生涯武道」にも繋がります。
今回は以上です。
以下記事も参考にどうぞ!