組手における目付(目の置き所)について、通常の空手稽古では、あまり教わらないです。
今回はあまり教わらないけど、これができたら確実に武力がアップする目付の仕方とその稽古方法について、記載します。
最初に結論です。
理想の目の置き方は遠山の目付
その稽古方法は、
①立禅
②基本稽古
③約束組手
④日常生活で
私の専門は芦原空手(芦原会館)です。
今回は芦原空手関係者はもちろん、武道全般に通ずる内容です。
また、武道に関係なくどなたでも参考になる内容も記載していますので、タイトルに少しでも興味がある方は、ぜひ一読いただければと。
それでは深堀りしていきます。
武術における理想の目付
一言で記載すると、「遠山の目付」です。
剣術で指導される場合があると思います。
相手と対峙した際に1部を見るのではなく、遠い山を見るように全体を見る見方です。
相手からの攻撃がある際に、手・足を見るのではなく、全体を見て対応していきます。
私は、芦原空手の「サバキ」という技術を追求するにあたって、できるだけ、自然に、柔らかく、早く、動くことを考えて、目付の重要性を認識しました。
「遠山の目付」ができるようになると、相手の繰り出してくる攻撃がよく見えて、時には予想できます。
結果として、先回りした挙動につながり、組手時の動きが格段にスムーズに、また防御力が上がります。
以下、「遠山の目付」を身に着けるため稽古方法をご紹介します。
①立禅
立禅は中国拳法:意拳・太気拳の鍛錬方法の1つで、目線は、1か所でなく全体を見渡すように置きます。
この目の置き方で組手ができたら、遠山の目付になるので、シンプルに立禅が答えの1つです。
立禅には目の置き方だけでなく様々なメリットがあります。
以下記事にて詳細記載しましたので参考にどうぞ。
②基本稽古
基本稽古の時、目線をまっすぐ置くことが重要です。
これは基本中の基本になりますが、意外に指導されてないことがあります。
目線をまっすぐ置いた上で、全体を見ながら攻撃を出していくことを心掛けるべきです。
③約束組手
これは上級者向け指導になります。
約束組手時に相手の全体を見て稽古すると目付も上達します。
初心者~中級者には指導しない理由として、芦原空手の約束組手の主目的としては、まずは、技術を覚えること・体に染み込ませることです。
サバキ技術を覚える際には、まずはどのような技が出てくるか見て慣れることが必須です。
上級者になり、相手の攻撃に対して、体で覚えた各技が自然に出せるようになったら、「遠山の目付」で稽古すればより上達します。
④日常生活で
以下の太気拳技術書で、ためになるエピソードが載っています。
「夕方の電車に乗った際に、窓の外の景色と窓に映る自分を見ることができるが、両方を同時に見るような目の使い方で、相手を見て組手をする」
電車以外では、山・川・等の自然の中で全体を見ることでも稽古になります。
補足になりますが、車・自転車の運転時にこのような目付ができれば、より安全運転できます。
今回、万人に有益と考えてタイトルに追記したのは、このためです。
以下記事にて、おすすめの中国拳法本を紹介しています。
まとめ
今回は、武道において、避けて通ることができないけど、あまり指導がされていない理想の目付と、その稽古方法を記載しました。
理想の目の置き方は遠山の目付
その稽古方法は、
①立禅
②基本稽古
③約束組手
④日常生活で
私が目付について考えるようになったのは、
芦原空手のサバキ技術向上のために、どうしたらいいのか?
を突き詰めていったからです。
今回紹介の太気拳技術書を含めて、色々な書籍を読んでヒントを得てたどり着きました。
遠山の目付は、どんな武道でも共通する目の使い方で、できるようになれば確実に武力が上がります。
もし、あなたが空手経験者で、道場で今回同様の目付の指導をされたことがあるなら、とても幸運ですよ。
その道場は生涯通う価値のある道場とも思います。
今回は以上です。
以下記事も参考にどうぞ!