ショートの間合いはヒジ・ヒザが主武器 その理由2つ 芦原空手/空手全般 向け

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「ショートの間合いはヒジ・ヒザが主武器」

これは、達人の芦原英幸先生の指導内容です。

今回は、その理由を記載します。

最初に結論です。

①体幹に近い攻撃部位のため

②生まれつき固い部位だから

ヒジ打ち、ヒザ蹴り共に、一般的な空手流派の基本稽古には入っているかと思います。

特にヒジ打ちは、空手の組手ではあまり使われないです。

今回は、ヒジ打ち、ヒザ蹴りの具体的な使い方も記載しますので、芦原空手、ひいては空手関係者の皆さんの技術向上の繋がれば幸いです。

それでは、深掘りします。

目次

ショートの間合いとは?

相手に接近した間合いを指します。

「ミドルの間合い」が中段回し蹴りがクリーンヒットする間合いとすると、「ショートの間合い」はそこから3〜5cm、距離を詰めた位置です。

体格の個人差があるので、あくまで目安です。

ショートの間合いからさらに相手に接近・密着した間合いが「インファイトの間合い」です。

「ショートの間合い」~「インファイトの間合い」での攻防をインファイトと呼びます。

実際には、常に間合いは変化するので、特にこの二つの間合いの区別は難しい場合があります。

今回は、ショートの間合いを含むインファイトを想定しての記事とします。

理由①:体幹に近い攻撃部位のため

インファイトでは、相手に接近しています。

パンチ、ローキック等もできますが、ヒジ、ヒザは、自身の体幹からの距離が短い部位であるため、接近時の攻撃技として、合理的です。

私が色帯の頃、黒帯の先輩に攻める際(黒帯はサバキ)、ショートの間合いで相手に掴まれたとして、間合い的に一番出しやすい技がヒザ蹴りだった記憶しています。

everkarate

サバく側になった現在でも、ショートの間合いでは、いつでもヒザ蹴りができるようにしています。

特に、サバキの時に、掴んだ状態で相手を崩すのが難しい場合、体が勝手にヒザ蹴りの挙動に動いてしまいます。

もちろん、色帯相手にヒザ蹴りを入れることはないので、当てる前に止めています。

理由②:生まれつき固い部位だから

インファイトでの攻防においては、できるだけ短時間で、決着をつけたい(仕留めたい)ところです。

理由は、相手の攻撃技が当たる間合いでもあるからです。

では、ショートの間合いで時間をかければどうなるか?

掴みのない打撃格闘技の場合は、その場で我慢比べとなり、打たれ強さと力がある人が有利となるでしょう。

掴みのある格闘技の場合、ショートの間合いでの打合いはほとんど続かず、取っ組み合いになり、密着して崩し・投げに繋げるでしょう。

相手を崩した状態・投げた状態へ持ち込み、攻防ともに不能状態にした方が、自分も安全ですし、大ダメージを与えられます。

everkarate

いずれにしても、ショートの間合いでできるだけ短時間で打撃技で決着をつけたいとなると、より攻撃力が高い技を出す必要があります。

そこで最も効果的なのが、鍛えなくても生まれつき固い部位であるヒジ・ヒザを使った技、つまり、「ヒジ打ち」と「ヒザ蹴り」です。

インファイトでのヒジ打ち・ヒザ蹴りの稽古方法

インファイトでのヒジ・ヒザが使えるようにするための具体的な稽古方法を記載します。

実は、芦原空手では、ヒジ・ヒザの使ったテクニックを初心者の段階、つまり、白帯から習うことができます。

everkarate

具体的な稽古方法として、白帯のコンビネーションです。

【白帯のコンビネーション】

右前蹴り → 

右パンチ → 

左パンチ → 

左中段回し蹴り → 

右ローキック → 

右足着地を斜め前に降ろす(ポジショニング) → 

右手で相手の袖口を掴み引きつけ → 

左手で相手の首を掴んで相手を回し崩し密着 → 

左膝蹴り → 

右ヒジ打ち

右足着地でポジショニングした時点で、間合いはショートです。

その後さらに密着して、ヒザ蹴り→ヒジ打ちへと繋げます。

紹介したテクニック(白帯コンビネーション)は、あくまで例ですので、組み合わせ(パターン)は、タイミング・相手の出方によって、自在に広がります。

まとめ

今回は、達人の指導内容「ショートの間合いはヒジ・ヒザが主武器」の理由を考察しました。

理由①:体幹に近い攻撃部位のため

理由②:生まれつき固い部位だから

また、ヒジ・ヒザを使った具体的なテクニック例も記載しました。

なお、今回テーマは、芦原カラテ技術書に、格言として掲載されています。

具体的には、書籍「実戦!芦原カラテ パート1」86ページの「芦原カラテ格言集」です。

↓実戦!芦原カラテ パート1

芦原空手の白帯のコンビネーションは、最初の審査を受ける前に、初めて習う方がほとんどかと思います。

everkarate

私もそうでしたが、白帯の頃は、ただの連続打撃技と考えて審査のためだけに稽古していました。

黒帯になって、いろいろなテクニックを深堀りしていくと、白帯の段階からとても効率的な技の稽古ができていたと思います。

武道の世界では、同じ指導を受けても、受ける本人のレベルによって、得られるものが変わることが多々あります。

達人が何故その稽古メニューをカリキュラムに入れたか?

ここを深堀りすると、それまでの稽古への見方が変わってきます。

今回のコンビネーションもその一例です。

このような見方・考え方ができるようになると、武術は格段に面白くなります。

武術探求の面白さは、本ブログのテーマ「生涯武道」に繋がると考えております。

今回は以上です。

以下記事も参考にどうぞ。

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