「受けは柔らかく流せ」
達人の芦原英幸先生の指導内容です。
今回は、その理由を深堀りします。
最初に結論です。
①無駄な力を使わず、相手の技がそれる方向に道をつけてやれる
②流し回すことに勢いをつけてやれば、相手を投げることに繋がり攻めになる
空手を含む打撃系格闘技では、攻撃技を主体と考えて、受けはあまり注目されないかもしれませんが、実は重要な技術です。
芦原空手を含むサバキ系空手の関係者の方、相手を崩す上で受けは必須の技術ですので、ぜひ参考にしていただければと思います。
また、フルコン空手全般にも通ずる話ですので、どなたでも参考にどうぞ。
それでは深堀りしていきます。
受けの種類
私の専門の芦原空手(芦原会館)では、受け技は大きく3つに分類されます。
【流す受け】外受け、下段払い、まわし受け
【止める受け】ブロック
【崩す受け】(インステップ→)上段受け
前提として、今回は【流す受け】が対象です。
①無駄な力を使わず、相手の技がそれる方向に道をつけてやれる
私が考える理想の受けは、相手の力と自分の力がバッティングせず、相手の攻撃技をそらせる挙動です。
例として、組手の型1の③の挙動から抜粋します。
相手の左前蹴りに対して、
ステップバック →
下段払い →
②のポジショニング →
左膝蹴り
下段払いするとき、相手の技の衝撃が自分の手に残ってないでしょうか?
残っているようであれば、受けの挙動としてはまだまだ改良の余地があります。
大事なことは、自分も相手も力の衝突を感じることなく、相手の技の方向を変えてやることです。
②流し回すことに勢いをつけてやれば、相手を投げることに繋がり攻めになる
上述①で、相手の力の方向をうまく変えてやることができたとして、その力に勢いを付けてやれば、相手を簡単に投げることができます。
パンチ・蹴り等の打撃技を使わずとも、投げること自体が攻めになります。
代表的な挙動が、以下のような回し受けによる崩しです。
【相手の左前蹴りに対して】
ステップバック →
下段払い →
②のポジショニングしながら 回し受け →
巻き込み投げ
このように受けは、ステップワーク、ポジショニングと密接な関係があります。
まとめ
今回は「受けは柔らかく流す」理由を深堀りしました。
①無駄な力を使わず、相手の技がそれる方向に道をつけてやれる
②流し回すことに勢いをつけてやれば、相手を投げて攻めになる
組手・実戦における受けとしては、どうしても力と力がぶつかり合う挙動になりがちです。
私もそうなることがあるので、今回テーマを深堀りすることで、改めて理想の受けを意識し、相手の崩れをより大きくしていくべきと再認識しました。
そのためには、やはり「常に柔らかく動く」べきです。
なお、今回テーマ「受けは柔らかく流せ」は、芦原カラテ技術書に、格言として掲載されています。
具体的には、書籍「実戦!芦原カラテ パート1」86ページの「芦原カラテ格言集」です。
↓実戦!芦原カラテ パート1
今回は以上です。
以下の記事も参考にどうぞ。