芦原空手(芦原会館)の「投げの型」を稽古するメリットを記載します。
投げの型1~4は、芦原英幸初代館長が作った芦原空手オリジナルの型です。
私が実際に投げの型を稽古していて、得られることを考察しました。
最初に結論です。
①基本的なポジショニング・ステップワークが学べる
②崩しの技術が学べる
③崩してからのカウンター攻撃が学べる
芦原空手を含むサバキ系空手が趣味の方、サバキ技術習得のヒントになれば幸いです。
また、フルコンタクト空手を含む武道全般、護身系武術が趣味の方にも参考になる内容もあります。
それでは、深堀りします。
投げの型とは?
公式に発表されている芦原空手の型は、組手の型、初心の型、基本の型、実戦の型、投げの型の5つです。
各型はさらに細分化されます(例:組手の型は1~5で合計5種)。
投げの型1~4は、文字どおり投げ技術を学ぶ型ですが、投げで崩した後の打撃技も含まれています。
投げの型「1」でまず投げそのものの動きを学び、「2」では投げからのカウンター攻撃、「3」「4」では投げとカウンター攻撃を織り交ぜた攻撃バリエーションを体系立て学べます。
↓参考記事↓
①基本的なポジショニング・ステップワークが学べる
「投げの型1」では、トドメを除いては打撃技が無く、投げの挙動のみです。
具体的には、受け・ステップワークによりポジショニングしてからの投げです。
まずは組手における、投げの間合い・タイミングと、基本的なポジショニング・ステップワークの挙動を学びます。
これらは投げ限定ではなく、他の打撃技にも使える技術です。
サバキ技術の根幹のポジショニング・ステップワークをシンプルに体系立てているのが「投げの型1」です。
↓参考記事↓
②崩しの技術が学べる
上述の投げのためのポジショニング・ステップワークを習得できて、実際に投げれるようになると、そのまま崩しの技術に繋がります。
「投げ」の手の動きは、基本稽古の「まわし打ち」・「まわし受け」がベースになるので、確実にマスターしましょう。
↓参考記事↓
③崩してからのカウンター攻撃が学べる
芦原空手の「投げ」の本質は、投げるための技術ではなく、投げで崩れてきた相手にカウンター攻撃を入れるための技術です。
「投げの型2」は、「投げの型1」の挙動に膝蹴りが追加されています。
各挙動は、全て崩しからのカウンター攻撃です。
崩れかかる相手にカウンター攻撃をいれる理由は、破壊力が大きいためです。
例として、「投げの型2」③の挙動 より、
(相手の右前蹴りに対して)ステップバック外受け →
右足クロスステップ →
相手の顔面を右手でリードして裏投げ →
(地面に倒れ掛かる相手の後頭部に対して)左膝蹴り
倒れ掛かる相手の後頭部に対してのカウンターの膝蹴り、決まれば一撃で戦闘不能です。
稽古では危険すぎるので膝先を当てないようにコントロールします。
また、投げの型3~4では、投げからの攻撃バリエーションをさらに増やしたコンビネーションを学べます。
(長くなるので、詳細記載は控えさせていただきます。)
投げの型の応用について
最後に、私が考える「投げの型」の応用技を記載します。
投げの手の動きは、全てパンチに変えることができます。
芦原空手の投げは、組手時の(相手に対する)安全性担保の側面もあります。
逆に言うと「投げの型」の投げをパンチに変えると、破壊力のある技になりえます。
例として、「投げの型1」③の挙動 より、
「(相手の右前蹴りに対して)ステップバック外受け → 右足クロスステップ → 相手の顔面を右手でリードして裏投げ」
↓型の中の「投げ」を「パンチ」に変えると以下になります。↓
(相手の右前蹴りに対して)ステップバック外受け →
右足クロスステップ →
相手の顔面に右フック
このような技がまともに入れば、一撃で戦闘不能です。
繰り返しになりますが、投げるため手をパンチに変えると何発もパンチを入れることができます。
まとめ
今回は、芦原空手の「投げの型」を稽古するメリットを記載しました。
①基本的なポジショニング・ステップワークが学べる
②崩しの技術が学べる
③崩してからのカウンター攻撃が学べる
過去の芦原空手の初段審査(1級→初段)において指定型は、「組手の型4」、「投げの型2」の2つでした。
今は「組手の型4」のみになっています。
私も初段審査の際は、「投げの型2」を稽古しましたが、やたらクルクル回る挙動ばかりで、とっつきにくい動きと感じていました。
相手が崩れ落ちるところに合わせての打撃は、かなりの破壊力です。
このことに気付くと、「投げの型」の有益性(=破壊力)が理解できると思います。
私の場合は、黒帯になって数年して気付きました。
↓おすすめ書籍↓ 投げの型2・3の解説があります。
今回は以上です。
以下記事も参考にどうぞ。