今回は、芦原空手においてポジショニングをする理由について、2つ記載します。
最初に結論です。
①打たれずに打てる位置(=安全な位置)に入れる
②死角からの攻撃が効率的
そもそも「ポジショニング」自体が芦原空手に特化した技術になりますが、他流派空手また武道全般に共通することもありますので、どなたでも参考にしていただければと思います。
それでは、深堀りしていきます。
ポジショニングとは?
芦原空手(芦原会館の空手)の経験者でないと、いきなり「ポジショニング」と聞いても、何のことかサッパリわからないと思いますので、簡単に説明します。
以下、芦原空手の4つのポジションです。
1のポジション:自分から見て左斜め前へ
2のポジション:自分から見て右斜め前へ
3のポジション:自分から見て左斜め後ろへ
4のポジション:自分から見て右斜め後ろへ
厳密に言うと相手の技によって、各ポジションへの入り方は違いますが、ざっくりと記載しました。
相手の技に対して、上記位置に自分が移動することを「ポジショニング」と呼びます。
移動と同時に受けを使う場合もあります。
以下にて、実際の技(サバキ)の例を記載します。
・相手の右前蹴りに対して、ステップバック→外受け→左斜め前にステップ(=1のポジショニング)→右膝蹴り
・相手の左前蹴りに対して、ステップバック→下段払い→右斜め前にステップ(=2のポジショニング)→左膝蹴り
・相手の右前蹴りに対して、外受けしながら左斜め後ろにステップ(=3のポジショニング)→右中段回し蹴り
・相手の左前蹴りに対して、下段払いしながら右斜め後ろにステップ(=4のポジショニング)→右中段回し蹴り
①打たれずに打てる位置(=安全な位置)に入れる
上述の1~4のポジションは、相手に打たれずに自分が打てる位置になります。
つまり、安全な位置です。
持論でもありますが、芦原空手(芦原会館の空手)では、正面からの打合いは極力避けるべきと考えています。
正面からの打合いとなれば、体が大きく力が強い者が圧倒的に有利です。
武道の技としては、力がなくても、力のある者に打ち勝つことが理想と考えております。
と、あくまで理想を記載しましたが、体が大きく、力が強いこと、を否定する意図はないです。
むしろ、絶対的な武力があると考えていますので、戦闘においては、その方がいいと考えています。
②死角からの攻撃が効率的
特に、武道経験者の方、見えないところから攻撃されたらどうでしょうか?
通常の見えるところからの攻撃であれば、レベルが違ったとしても、防御の仕方があります。
見えないところ、つまり「死角」から攻撃されると、防御ができないです、つまり、クリーンヒットします。
攻撃側からすると防御されないところに攻撃をいれることができれば、効率的に倒すことに繋がります。
理想のポジショニングができれば、そこは相手からすると死角になるので、効率的な攻撃に繋がります。
まとめ
今回は、芦原空手においてポジショニングをする理由について、2つ記載しました。
①打たれずに打てる位置(=安全な位置)に入れる
②死角からの攻撃が効率的
最後に、ポジショニングの原点を記載します。
芦原英幸先代館長が、前流派の時代です。
当時の芦原英幸氏は、ケンカという実戦を多くこなしていくうちに、実戦では相手の技を食らわないことをまず第一に考えて動くようになっていました。
ステップワーク、ウィービングなどあらゆる動きを用いて、自分の体が相手の「制空権内」、つまり、「相手の攻撃が当たる範囲内」に留まることのないように動いていました。
そういった動きをしながら、自分の攻撃だけが相手に当たるような戦い方をしました。
当時の空手からすると、違う動きのため道場の先輩から
「芦原、お前の動きは空手とちがうぞ、それじゃケンカだ」
と言われました。
道場では、多少叩かれても、最終的に1発効き目のある技を決めれば勝ち。
一方で、ケンカ(実戦)では何をしてくるか予測不明の相手の技を食らわないことを最優先とする。
この考え方・戦い方の乖離が、如実に表れていたのでしょう。
上述の、実戦(ケンカ)において、自分の体が相手の「制空権内」に留まることのないように動き、かつ、自分の攻撃だけが相手に当たるような戦い方、これが今回テーマのポジショニングの原点になると考えています。
以下はポジショニングの原点を学ぶことができる書籍です。
次回は、ポジショニング技術を体得するための稽古方法を記載します。
今回は以上です。
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