今回は、私の専門の芦原空手(芦原会館)の黒帯の特徴について、考えてみました。
私がこれまで見てきた芦原空手の一般部黒帯は、数百人レベルです。
これまで見てきた黒帯の共通点でもあります。
最初に結論です。
①サバキの挙動を一通りマスターしている
②一定以上の打撃力・打たれ強さを持っている
③足腰が安定
特に芦原空手を含むサバキ系空手の関係者の方、ご自身の見解を比較いただき、新たな発見があれば幸いです。
また、空手全般に興味がある方、もしくは関係者の方、芦原空手に興味を持つキッカケになれば幸いです。
最初に注意書きとして、今回の黒帯は、一般部(高校生以上の大人の部)のみが対象です。
それでは、深堀りします。
①サバキの挙動を一通りマスターしている
以前の記事では、黒帯の条件として、
所属流派の技術を一通り習得していること
が1つと記載しました。
まず、一般的な空手流派では技術化されていない、芦原空手オリジナルの技は、以下と考えています。
・ポジショニング
・ストッピング
・ヒッカケ
・投げ(巻き込み投げ、裏投げ)
以下書籍で詳細が学べます。
厳密には他にもありますが、芦原の黒帯は、これらの「サバキの挙動」を一通りマスターしています。
黒帯になるカリキュラム上、「サバキの挙動」を学べるようになっています。
具体的な挙動・技は、「芦原空手の型」に集約されています。
あえて「サバキの挙動」と記載している理由として、
実戦(組手)で使えるかどうかは、当人の修練次第だからです。
黒帯になったからといって、組手(実戦)でサバキ技術を完全に使いこなせるようになる訳ではないです。
黒帯のレベルが低いという話ではなく、「サバキ技術」は奥が深く、簡単ではないためです。
私がこれまで見てきた一般部の黒帯は、実戦(組手)で使えるかは別として、「サバキの挙動」をマスターしていました。
つまり、サバキ技術を使いこなすための、最低限の土台が完成している状態です。
↓公開されている全ての「芦原の型」が学べる商品です。
②一定以上の打撃力がある
芦原空手はフルンタクト空手です。
格闘技素人が、芦原空手黒帯になるには、2年以上の稽古継続が必要です。
2年以上、フルコンタクトの攻防(=本気の殴り合い、蹴り合い)を継続すると、確実に打撃力と打たれ強さが上がります。
私が今まで見てきた芦原の一般部黒帯は、例外なく、高い打撃力・打たれ強さを持っていました。
③足腰が安定
芦原空手の黒帯は「サバキ」の際、下級者の攻めに対して、どのような形でも倒される(=上半身が地面に付く)ことはNGです。
KOは当然NGですが、バランスを崩して倒れること、投げられて倒れることもNGです。
下級者の攻めに対して、倒れないようにするためには、下半身の強化は必須になります。
逆に言うと、サバキ技術習得のために、下級者の攻めに対して倒れない身のこなしをすること自体が、下半身強化に繋がります。
黒帯になるまでの稽古として「サバキ」の数を重ねる必要があるので、その過程で崩れにくい安定した足腰が得られます。
特に、中高年の方、黒帯の安定した下半身があれば、日常生活で転倒しにくくなり、ケガ防止にも役に立ちます。
まとめ
今回は、芦原空手の黒帯の特徴について、記載しました。
①サバキの挙動を一通りマスターしている
②一定以上の打撃力・打たれ強さを持っている
③足腰が安定
これらは全て、サバキ技術を使いこなすための土台でもあります。
サバキ技術習得を目標とする流派なので、至極当然の共通点であると、記事を記載していて思いました。
黒帯の最初の「段位」は、それまでの「級」と違い、「1段」ではなく「初段」と呼びます。
黒帯を巻くということは、その流派の技が一通り身に付いたことで、空手のスタートラインに立ったことを意味するためです。
芦原空手のスタートラインは、サバキ技術を使いこなすための土台が完成していることと、私は解釈しています。
黒帯になり、奥深いサバキ技術の向上を目標として、稽古継続しさらに伸ばしていくこと、私個人としては、これほど面白いことはないと感じています。
奥深い技術習得のために長期的に稽古することは、本ブログコンセプトの「生涯武道」にも通ずると考えています!
今回は以上です。
↓サバキ系空手上級者向けの技術書、個人的には世の中にある空手技術書で一番ハイレベルとまで考えています。
以下記事も参考にどうぞ!