今回は、芦原空手の「組手の型1」の稽古を継続すると得られるメリットについて考えてみました。
最初に結論です。
①ポジショニングの基礎
②トドメ技
③後ろ蹴りの使い方
私は芦原会館という空手流派を15年以上継続し、現在は指導にも携わっています。
今回テーマの「組手の型1」は、道場生に指導もするし、自分の自主トレメニューにも取り入れています。
指導・稽古を長年継続して、特にメリットと感じることを3点だけ抽出しました。
今回は、特に芦原空手に特化した内容ですので、サバキ系空手関係者の方、技術向上のために少しでも参考になれば幸いです。
また、空手に少しでも興味がある方、ご自身の空手の対するイメージと比較いただくことで新たな発見があれば幸いです。
最初に注意書きとして、あくまで私解ですので他の見解もあって当然と考えております。
また抽出しているのは3つだけですが、もちろん他にもメリットはあります。
それでは深堀りしていきます。
組手の型1とは?
芦原空手では、初心の型1の次に、2番目に習う型です。
青帯(8級、7級)を巻いての審査の指定型です。
白帯の次段階の青帯向けの型ゆえに、シンプルな挙動が中心です。
ちなみに、帯・級の相関は以下です。

以下に各挙動の詳細を記載します。
組手の型1
①の挙動 (左90度)組手の構え
②の挙動 【右下段回し蹴りに対して】イン 外(ヒザ)ブロック →右ローキック →左ハイキック
③の挙動 【右前蹴りに対して】ステップバック 外受け →イン(1のポジショニング) 右ヒザ蹴り
④の挙動 【左下段回し蹴りに対して】イン 内(ヒザ)ブロック →右ローキック →左ハイキック
⑤の挙動 【左前蹴りに対して】ステップバック 下段払い →右送り(2のポジショニング) 左ヒザ蹴り
⑥の挙動 【右上段回し蹴りに対して】左横蹴り(関節蹴り)
⑦の挙動 【左前蹴りに対して】ステップバック 下段払い →(左足クロス)右後ろ蹴り
⑧の挙動 【左上段回し蹴りに対して】イン 右上段受け →(右送り足、2のポジショニング)左ヒザ蹴り →右ヒジ打ち
⑨の挙動 【右上段回し蹴りに対して】イン 左上段受け →(左送り足、1のポジショニング)右ヒザ蹴り →巻込み投げ(45度騎馬立ち)
⑩の挙動 【投げた相手に対して】右下段突き →右カカト踏込み →組手構え
①ポジショニングの基礎
ポジショニングは芦原空手特有の技術です。
簡単に説明すると、

打たれずに打てる安全な位置に身を置く技術です。
相手から見えない位置、つまり、死角(Blind Spot)に入ることを目指します。
私見ですが、ポジショニングの基礎は、①・②のポジショニングと考えております。
相手から見て斜めの位置にあたり、以下がイメージ図です。


組手の型1では、インファイトしながら①・②のポジショニングを取る技術を学べます。
②トドメ技
これは他の組手の型(2~5)も同様です。
芦原空手の場合、カリキュラム上は初めて、組手の型1で、カカト踏み込みを使ったトドメ技を学ぶことになります。
相手の頭部が地面に付いた状態で、上から、カカトを落としていきます。
この技がまともに入ったら・・・記事では書けない惨事になります。
私見ですが、このように命のやり取りまで発展する技を稽古すると、以下2点が得られると考えています。
・命のやり取りができる技を身に付けているとの自信
・日常生活でどんなに過酷な環境(特に仕事)に身を置いても命を取られることはないとの割り切り
日常生活で命のやり取りを感じることはまずないので、生命体としての人間の本能が呼び覚まされることは、とても重要です。
③後ろ蹴りの使い方
入門して数カ月で黄帯になった私は、黒帯の先輩と組手をした際に、アバラに後ろ蹴りを食らいました。
当時、後ろ蹴りという技を見たことも使ったこともなく、完全に初見でした。
私は、白帯から黄色帯に飛び級したので、青帯の指定型(=組手の型1)の稽古は全くしていなかったです。
黒帯の後ろ蹴りを食らった後は、そのまま立てなくなり、人生初のKOでした。
その後、1~2週間はアバラが痛かったと記憶しています。
後から考えると、組手の型1で後ろ蹴りの受け方を稽古していたら、このようなKOには至らなかったと思いました。



そもそも、後ろ蹴りは、空手の蹴り技の中でも、特に威力が高い蹴り技です。
以下記事で後ろ蹴りの威力について、記載しました。


ただし、後ろ蹴りは、一旦自分の背中を見せることになるので、威力はあるけどスキが大きい技となります。
組手の型1【⑦の挙動】では、現実的な使い方を学べるので、メリットとして挙げました。
まとめ
今回は、芦原空手の「組手の型1」の稽古を継続すると得られるメリットを3つ記載しました。
①ポジショニングの基礎
②トドメ技
③後ろ蹴りの使い方
シンプルな挙動を中心として構成されていますが、芦原空手を含むサバキ系空手にはなくてはならないポジショニング技術を学ぶことができます。
トドメ技の稽古で、命のやり取りを感じることができれば、日常生活における自信にも繋がります。
スキが大きいけど、威力絶大の後ろ蹴りの使い方も学ぶことができます。
強さ・武力を求めて空手を継続するなら、必ず習得すべき型です。
もちろん、中高年サラリーマン空手家の私も強さを求めて稽古継続しています。
やり込めば確実に武力が上がる型は、本ブログコンセプトの「生涯武道」に通ずる稽古方法です!
今回は以上です。
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