芦原空手の稽古法の核心ともいえる、約束組手をする4つの理由・メリットを解説。
空手に必要な ①間合い ②見切り ③タイミング ④インパクト を学ぶ。
~ここからが本文です~
今回は芦原空手の稽古法の核心ともいえる対人(2人1組)の約束組手をするメリット・理由について、私なりの見解を解説します。
空手全般にもいえることもあるかと思いますので、空手関係者もしくは格闘技全般に携わる方にも参考になれば幸いです。
最初に結論です。
①間合い
②見切り
③タイミング
④インパクト
を学ぶことができます。
それでは、深堀りしていきます。
約束組手とは
芦原空手の一般的な稽古内容として、
柔軟 → 基本 → 移動 → 約束組手 → サバキ・組手
※移動の後にミット稽古の場合もあり
※サバキ・組手の後に補強(筋トレ)追加の場合もあり
のような流れになります。
約束組手とは、相手の決まった技に対して、決まった技で攻撃する稽古です。
サバキ技術の向上・マスターを目的としています。
様々な稽古方法がある中で、芦原英幸先代館長が試行錯誤し、これらの稽古法選択しています。
もちろん、あくまでベースとしての稽古のため他にも効果的な稽古もあります。
私自身、15年以上稽古をしていますが、サバキ・組手の技術向上を目的とした場合、約束組手ほど、合理的かつ安全な稽古はないと考えています。
具体的に約束組手で学べる内容を4つ記載します。
①間合い
サバキ・組手において、最も重要な概念の一つの「間合い感」を学ぶことができます。
間合いとは、相手との距離感になります。
適正な間合いをとることで、相手の攻撃はクリーヒットしなくなります。
芦原空手には大きく分けて3つの間合いがあります。
・ミドルの間合い・・・ミドル回し蹴りがクリーンヒットする位置
・ショートの間合い・・・ミドル間合いより約5cm詰めた位置
・ロングの間合い・・・ミドルの間合いより約5cm離れた位置
※5cmと記載していますが、これは目安で、自分もしくは相手の体格で変わってきます。
間合いについては、以下記事でも記載しました。
おすすめの技術書も併せて確認いただければと。
②見切り
約束組手で学べる「見切り」とは、
相手の技の軌道に対して自分の体をどこの位置に置くか、瞬時に判断することです。
「間合い」と「見切り」は本来は1セットですが、見切りを付けた上で適正な間合いをとることになるので、今回はあえて切り分けて記載しました。
以下記事で記載した「武道における理想の目付」ができれば、「見切り」の能力はさらに上がるので参考にしていただければと。
③タイミング
効果的な攻撃・受けの「タイミング」を学べます。
具体的には、以下の3つです。
・相手の攻撃のスタート時
・相手の技の最中
・相手の技の終わり(フォロースルー時)
約束組手時には、必ずいずれかのタイミングになっているので、実際の組手時に効果的なタイミングを学ぶことができます。
④インパクト
特に、崩すための蹴り(攻め)ではインパクト・フォロースルーを合わせる必要があります。
約束組手で、実際に相手を付けて蹴ってみることで、インパクト・フォロースルーを理解できるようになります。
中級者以上の技術と考えています。
まとめ
さて、今回は芦原空手の稽古の核心ともいえる約束組手から学べること(=メリット)を4選記載しました。
①間合い
②見切り
③タイミング
④インパクト
を学ぶことができます。
上記①~④は、芦原空手を突き詰めるとどれも必要不可欠です。
格闘技全般でも言えると思います。
各項目を総合的に組み合わせて学ぶことができる、合理的な稽古法が約束組手です。
今回は概念的な情報ですが、
では、実際にどのような動き方が効果的か?どんな技で稽古しているの?
と気になるかもしれません・・・
答えは、バリエーションを含んだら無数です。
私は、芦原空手の型をベースに、約束組手のバリエーションを考えています。
芦原の型の話は、長くなるので別の機会でさせていただきます。
もちろん、型にはない動きを稽古する場合もあります。
最後に、芦原空手経験者の方で、稽古当日の約束組手でやった技が当日の組手・サバキで、自然に出た、もしくはえらく出しやすかった、と感じたことはないでしょうか。
この感覚を積み重ねていって、
頭で考えてでなく、体が勝手に動いて技がでる状態に持っていくことが、武道修行の本質
と考えております。
今回は以上です。
以下記事も参考にどうぞ。