空手の稽古は全身運動のため、体幹トレーニングも含まれます。
今回は、空手で体幹が鍛えることができる理由について記載します。
最初に結論です。
①基本稽古で軸を作る必要があるため
②打撃のトレーニングでヒットマッスルを鍛錬できる
③組手で倒されないために必要
特に、初心者の方、空手継続の後押しになれば幸いです。
また、少しでも空手に興味がある方、体幹トレーニングにもなる理由を確認いただくことで、空手を始めるキッカケになれば幸いです。
私の専門は、芦原空手(芦原会館)です。
芦原空手を含むフルコンタクト空手関係者の方、ご自身の見解と比較いただき新たな発見があれば幸いです。
それでは深堀りします。
①基本稽古で軸を作る必要があるため
基本稽古の大半では腰の回転が必要です。
背骨を軸とした動きです。
正しいフォームの技は、軸を作ることが必須です。
打撃技は、体の枝(手足)ではなく、幹(腰)の回転が威力の源です。
基本稽古を積み重ねて、軸を養成することが、体幹トレーニングになります。
単に筋肉が付くだけでなく、スピードも養成されるので、質の高いトレーニングです。
②打撃のトレーニングでヒットマッスルを鍛錬できる
空手の打撃トレーニングではミット・サンドバックを叩くメニューがあります。
実際にモノを叩くことにより、打撃時の筋肉が養われます。
特にパンチの場合は、体の後ろ側の筋肉、ヒットマッスル(ヒッティングマッスル)を使います。
フルコンタクトな打撃を加えると、以下2種の筋肉の使い方をします。
1) インパクト時に反発してくる衝撃を自身の体で受け取める
この際、衝撃を受け取めるための筋肉が必要になります。
実際にモノを叩くことにより、打撃を受け取める筋肉が発達していきます。
2) インパクト時に込めるパワーを大きくする
力(パワー)を突き詰めたら、やはり筋肉が必要です。
打撃力を上げるために、インパクト時に込める力をより強大にしようとし、結果的に筋肉が発達していきます。
背中を中心とするヒットマッスルは体幹に相当するので、実際にモノを叩くことが体幹トレーニングとなります。
③組手で倒されないために必要
これは芦原空手(芦原会館)に特化した内容かもしれません。
私の経験上、芦原空手でのサバキの稽古では、体幹が鍛えられます。
黒帯に先輩に全力で攻めますが、確実にサバかれて(制圧されて)いました。
芦原空手のサバキは掴み・投げありです。
黒帯の先輩に掴まれたら、反射的に掴み返してしまい、とっくみ合いが多々ありました。
白帯の私は、サバかれないように必死に抵抗します。
体幹が強くなければ簡単にサバかれるので、抵抗すること自体で体幹を鍛えられました。
上記同様に、下級者と取っ組み合いになる場合がありますが、黒帯を巻いている以上、体勢を崩す訳にはいきません。
体勢を崩さない戦い方自体が体幹トレーニングになります。
注意書きとして、サバキは打撃技で崩すことが理想ですので、本来は掴み合いにならないようにすべきです。
それでも、掴み・投げありのルールである以上、現実的にはどうしても掴み合いになることがあります。
もちろん、理想と現実のギャップを埋めることも稽古ですが、私がこれまで見てきた芦原空手の黒帯は、掴み合いに対しての体幹の強さも兼ね備えていました。
まとめ
今回は、空手で体幹が鍛えることができる理由について記載しました。
①基本稽古で軸を作る必要があるため
②打撃のトレーニングでヒットマッスルを鍛錬できる
③組手で倒されないために必要
上記の理由から、空手稽古を継続すること自体が、体幹トレーニングとなります。
初心者の方、空手に興味がある方、継続したら確実に体幹が強化されます。
空手経験者の方、各稽古での鍛錬内容を改めて確認いただき新たな発見があり、稽古の意味を深堀りするキッカケになれば幸いです。
最後に、フルコン空手において、空手稽古だけでは不十分な体幹の筋肉として、「腹筋」があります。
他の体幹筋肉は空手稽古だけで十分に養えますが、本気の殴り合い・蹴り合いにおいては、腹筋(ボディ)だけは、鍛えていなければ簡単にKOされます。
もちろん、さらに高レベルを目指すなら、腹筋外の筋トレ・補強もすべきですが、最低限の腹筋だけは付ける必要があります。
今回は以上です。
↓今回紹介の芦原空手の「基本稽古」「ミット・サンドバッグ稽古」「サバキ」が掲載されている技術書です。
特に「実戦!芦原カラテ2」には、上級者向けの実戦的なサンドバッグ稽古が掲載されています。
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