今回は移動稽古をする理由・メリットを3つ解説します。
フルコンタクト空手では、基本稽古の次に移動稽古をする場合が多いです。
私の流派でも稽古メニューは、柔軟→基本稽古→移動稽古・・・と続きます。
移動稽古には、基本稽古同様に空手の「技」を学ぶ部分も含まれています。
今回は、「技」を学ぶ以外で、稽古法として見た時の、移動稽古をする理由・メリットです。
最初に結論です。
①ダイナミックな腰の使い方を学ぶ
②体重移動を学ぶ
③足腰の鍛錬
それでは深堀していきます。
移動稽古内容について
最初に、具体的な移動稽古の内容を記載します。
・前屈立ちでの追い突き
・前屈立ちでの逆付き
・蹴りの構えからの前蹴上げ
・蹴りの構えからの前蹴り
・蹴りの構えからの回し蹴り
あくまで私の流派(芦原会館)でのベースです。
これらに追加して、
・騎馬立ちから横蹴り(→後ろ回し蹴り)
・前回り鉄槌
・後ろ回り鉄槌
・他
もあります。
次から移動稽古をする理由を記載していきます。
①ダイナミックな腰の使い方を学ぶ
破壊力のある技の源は腰の回転です。
空手に限らず他の武道でも同様と思います。
移動稽古では、基本稽古より腰を大きく使います。
腰の回転の目安として、基本の蹴りは45度位、移動の蹴りは60度位です。
②体重移動を学ぶ
これも重要な要素です。
移動稽古では、突き・蹴り時の技にウエイトを乗せる体の使い方も学びます。
あと、蹴りの場合は着地の足の位置で、そのままポジショニングとすることができます。
↓参考記事↓
③足腰の鍛錬
いずれも腰を落とした上での移動・技になりますので、空手的な足腰の鍛錬になります。
移動稽古での足腰の鍛錬という視点から、上級者向けの稽古方法を紹介します。
以前、芦原空手審査会に行った際、サバキで掴み合いになってバランスを崩して倒れた黒帯の方がいました。
その後の支部長会議で現館長から
「黒帯は、倒れないように足腰を鍛えることが必須」
とのコメントで、具体的な稽古方法として、
「移動稽古の追い突き・逆突きを、通常ではなくスローにやること」
との指導でした。
「ただし、端から見たら、空手に見えず、何か怪しい集まりに見えるから、黒帯(上級者)だけでやってくださいね」
とのフォローも。
早速、後日に自主トレでこの稽古をしてみると、これが足腰にかなり効きました。
確かにこれで鍛え込んだら、バランスを崩すことはないと思いました。
私としては現在は、太氣拳の「這い」を自主トレに組み入れて(独学ですが)いますが、今考えたら、「這い」に匹敵する空手的な鍛錬と思います。
興味がある方、ぜひ試してみてください。
まとめ
今回は、移動稽古をする理由を3つ深堀りしました。
①ダイナミックな腰の使い方を学ぶ
②体重移動を学ぶ
③足腰の鍛錬
いずれも空手用の体の使い方するには重要なファクターと考えています。
最後に、「鬼滅の刃」で私の好きな鍛錬シーンを記載します。
岩の柱より、
「最も重要なのは体の中心・・・足腰である。
強靭な足腰で体を安定させることは正確な攻撃と崩れぬ防御へとつながる」
武道の本質を突いていて、空手の移動稽古の目的でもあると考えられ、心に刺さるセリフでした。
今回は以上です。
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