組手・実戦において、攻撃の見切りは、とても重要な技術です。
今回は特に、相手の攻めをギリギリで見切ることをテーマとして、その稽古方法を考えてみました。
最初に結論です。
稽古方法は、
①約束組手
②芦原の型
③立禅
私の専門は、フルコンタクト空手の芦原空手(芦原会館)です。
今回は芦原空手の技術・稽古方法を中心として、中国拳法の鍛錬方法も記載しました。
相手の攻撃をギリギリで見切る技術は、芦原空手はもちろん、打撃系武道であれば、どの武道でも有益と考えていますので、どなたでも参考にしていただければと思います。
なお、今回テーマの「相手の攻めをギリギリで見切る」は、芦原カラテ技術書に掲載されています。
具体的には、書籍「実戦!芦原カラテ パート3」の146ページの左下です。
↓ 実戦!芦原カラテ パート3
次から、深堀りしていきます。
相手の攻撃をギリギリで見切る理由
最初に、相手の攻めをギリギリで見切るべき理由について、記載します。
適切な間合い・タイミングで、自分の攻撃に繋げるためです。
相手との距離がギリギリでなく空きすぎていたら・・・
相手の攻撃がギリギリ当たらない間合いなら、1クッションは不要です。
最小限の動きでギリギリで見切ることができれば、自分が攻撃に転ずるタイミングも早くなります。
次からは、相手の攻めをギリギリで見切るための具体的な稽古方法を記載します。
①約束組手
芦原空手の約束組手とは、相手の決まった技に対して、決まった挙動で対応する稽古です。
サバキ技術の向上・マスターを目的としています。
攻撃技・受け技ももちろん学べますが、今回テーマの相手の技をギリギリで見切る稽古もできます。
具体的には、相手の攻撃技に対して、ステップバックで避けるのみの稽古とします。
ただ避けるだけでなく、相手の技が当たるか当たらないか、つまり、ギリギリの位置がどこか探ります。
これは、シンプルですが、超実戦的な稽古です。
武術の攻防を突き詰めると、当たらない技は打撃技として成立しません、つまり無力化します。
相手の技が無力化するタイミングで、自分の攻撃に繋げるために、最も有利な位置がどこか?
を体で覚えることができれば、確実に武力が上がります。
今記載している距離のレベルは、cm単位と小さいですが、突き詰めると大きな実力差となります。
②芦原の型
芦原空手の型からは、組手における間合い感も学べます。
各挙動は、相手との間合いに応じた挙動となっています。
芦原空手の型を稽古する際は、大きく2つの稽古方法があります。
1)相手を付けずに一人で稽古
2)相手を付けて約束組手形式で稽古
どちらかだけでOKではなく、1)、2)の両方の稽古が必要です。
上述①で記載の約束組手形式で、まずは、相手の技をギリギリで見切るのみの稽古をして、距離感を確認します。
その上で、一人稽古の際に、約束組手で確認した距離感を意識して稽古します。
芦原空手の型の内、攻撃技の見切り方が1番シンプルに体系化されている型は、「初心の型1」と考えております。
ステップバックからのサバキが中心で、具体的には、挙動②~⑦がステップバックからスタートします。
初心の型1には複雑な技はなく、シンプルで初心者向けの型に見えますが、
シンプル故に突き詰めると色々な効果が得られます!
↓「初心の型」を含めて、公開されている芦原の型が全て学べる商品
③立禅
上級者向けの稽古方法です。
立禅は、芦原空手を含む一般的な空手の稽古方法ではなく、中国拳法の鍛錬方法です。
立禅のメリットは多々あります。
メリットの1つとして、組手用の理想の目の使い方が得られます。
私が考える組手用の理想の目の使い方(目付)は、「遠山の目付」になります。
具体的には、相手の一カ所だけを見るのではなく、遠い山を見るように全体を見ます。
立禅時は、
この目の使い方を組手時に使うと、それが「遠山の目付」になります。
今回テーマの「相手の攻めをギリギリで見切る」をよりハイレベルに引き上げるためには、目の使い方は避けて通れないと考えています。
相手の技を見切る際の入力(インプット)は、自身の目から入ってくるためです。
まとめ
今回は、「相手の攻めをギリギリで見切る」ための稽古方法を記載しました。
①約束組手
②芦原の型
③立禅
武術の攻防を突き詰めると、当たらない技は打撃技として成立しません。
極論を言うと、相手の攻め技を見切る技術を持っていれば、組手において大きくリードできます。
技を見切る際に、適切な間合い・タイミングを取ることができれば、後の自分の攻撃に繋げる際も有利です。
以上の理由で「相手の攻めをギリギリで見切る」ことができれば、武力UPに繋げります。
つまり、今回記載の稽古方法を実践すれば確実に武力が上がります。
今回掲載の稽古方法は、どれも特別な内容ではなく、年齢を重ねてもできる稽古ばかりです。
立禅は空手ではなく中国拳法ですが、以下書籍1冊で十分学べます。
(私の立禅もどこかに習いに行ったこともはく、完全に独学です。)
年齢を重ねても実践できる、かつ、武力UPに繋がる稽古は、長期継続ができる「生涯武道」そのものです。
本ブログテーマ「生涯武道」に触れることができる稽古は、一生モノの重宝です!
今回は以上です。
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