前回に引続いて、組手において目の使い方が重要な理由を記載します。
最初に結論です。
①的確な攻撃・防御に繋がるため
②体に染み込ませた技を実戦(組手)で使うために必要
今回は、②について、深堀りしていきます。
空手の道場において、目の使い方までの指導はほぼされないと思います。
形を真似することから入る各技術に比べると、感覚的で外から見ても目の使い方の差までわからず、指導する側からすると、理想の目付が使えているか確認が難しいところです。
私の専門の芦原空手(芦原会館)でも同様で、指導されたことがないです。
芦原空手を含む空手関係者、また武道全般の関係者の方、今回記事の内容を理解した上で、理想の目付を意識して稽古すれば、確実に武力が上がりますので参考にしていただければと思います。
↓前回記事↓
②体に染み込ませた技を実戦(組手)で使うために必要
空手・他の武道では、2人1組で決まった攻防を稽古する「約束組手」があります。
各流派の技の形を覚えて、体に染み込ませるまで稽古します。
一般的には、覚えた技を出すこと、つまり「出力」とすることをメインの目的としています。
約束組手ではスムーズにできても、フリーで動く組手では、うまくいかないことが多々ないでしょうか?
なぜか? ここで考えるべきは、組手時に人間がどのような意識を持って動いているか、です。
外の情報を「入力」つまり「見ること」があり、次にその情報の処理があり、次にそれに基づいた「出力」つまり「動く」ことがあります。
まとめると、
「見る」(=入力) → 「処理する」 → 「動く」(=出力)
もちろん、「出力」する技自体を覚えることを目的に稽古することは重要です。
覚えた技を出す際、最初に「見ること」=「入力」から入ります。
ここでスムーズに情報を「入力」できないと覚えた技を使うこともできないです。
約束組手でできてフリーの組手でできない理由の一つが、「入力」の仕方を習ってないためと考えています。
理想の目の使い方をするための稽古方法
澤井健一先生
の指導内容
「電車に乗り、窓ガラスに映った自分の顔を見ると同時に外の風景も見る、そんな風に相手を見なさい」
この目の使い方を意識して、
・約束組手
・立禅
をすれば、武道用の理想の目付を鍛錬できます。
大事なのことは、鍛錬中の意識です。
形だけでは効果は得られないので、私は上級者向けの内容として、指導するようにしています。
↓参考記事↓ 組手で強くなる目の置き方 稽古方法 4選
まとめ
今回は、組手において目の使い方が重要な理由を記載しました。
①的確な攻撃・防御に繋がるため
②体に染み込ませた技を実戦(組手)で使うために必要
理想の目付の鍛錬方法が「約束組手」・「立禅」、ただし特別な意識が必要です。
特に②は、以下書籍を参考にしました。
本書を読んでいて、稲妻が走る感覚になった個所を抜粋します。
「武術はもちろんだが、様々なスポーツでも「出力」の練習をする。
身体をこう動かすとか、こういう技術でとか。
ところがこの一番大切な「入力」に関しては訓練がない。
稽古生の才能任せである。
才能任せなら稽古する必要はない。
どんなに「出力」の稽古をしても「入力」が変わらなくては決まりきった動作に習熟するだけで役に立つ訳がない。」
私も、これまでの空手道場の稽古で目付の指導をされたことはなかったです。
特別な才能もない私としては、色々な書籍を読みながら思考錯誤していき、出会ったのが本書でしたので、その衝撃は大きかったです。
もちろんフィジカル能力を伸ばすことも重要ですが、目の使い方による武力UPは、若いうちだけでなく年齢を重ねても磨けるので、本ブログのコンセプトの「生涯武道」にも繋がると考えております。
今回は以上です。
以下記事も参考にどうぞ!!