過去記事で、黒帯がもつ防御力の理由を記載しました。
戦闘技術である空手を鍛錬することにより得られる防御力は、法治国家の日本において、むしろ攻撃力より有益では?とも考えています。
日常生活でも役に立ちます。
そこで今回は、黒帯取得すると得られる日常生活におけるメリットを記載します。
最初に結論です。
私の主観・経験から具体的に、以下3つです。
①素人の攻撃が怖くなくなる
②ちょっとしたことではケガをしなくなる
③受けた痛みが重症か軽傷か自己判断できるようになる
私の専門はサバキ系フルコンタクト空手の芦原会館(芦原空手)です。
サバキ系空手の関係者はもちろん、フルコン系空手にも通ずる内容です。
また、直接打撃系武道全般に通ずる内容もあるので、どなたでも参考にしていただければと思います。
それでは、深堀りしていきます。
①素人の攻撃が怖くなくなる
所属流派の芦原空手では、よほどのセンスがない限り、黒帯取得には2年以上かかります。
もちろん、稽古頻度によるので週1回の稽古では2年では難しいでしょう。
フルコンタクト空手では、顔面パンチは無いものの、基本はガチの殴り合い・蹴り合いの攻防が前提です。
黒帯取得となると、下級者のガチの攻めに対して、サバキ技術を駆使して制圧する必要があります。
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黒帯に対しては、本気(=倒すつもり)でかかっていくことが通常です。
下級者とはいえ、同じように空手による武力UPを志し、非日常的な空手道場に身をおく方々です。
このような本気の空手稽古者に対して、黒帯は主にローキック、ブロック、ポジショニング、投げ、で制圧していきます。
ここで言いたいことは、
素人の攻撃 < 下級者の攻撃
の位置づけのところ、
下級者の攻撃をサバくことができるので、素人の攻撃には余裕をもって対処できます。
注意書きとして、空手’外’の武道経験者は素人ではないです。
戦う際は、ここの見極めは必要です。
参考ですが、私は、「ラジオ体操」と「歩き方」を見たら、その人のおおよその武力が測れます。
(私の職場では毎朝、ラジオ体操があります。)
理由は、関節の可動域、動きのしなやかさ、体重移動のスムーズさ、が分かるからです。
あくまで持論ですが、ご参考に。
②ちょっとしたことではケガをしなくなる
上述のように2年以上、直接的な殴る蹴るの攻防を繰り返すと、当然、それなりのダメージを受けることがあります。
私も何回もダウンした(=ダメージで立てない状態になった)ことがあります。
技を受ける場合だけでなく、自分の攻撃をブロックされた時も同様です。
フルコンタクトでこのようなやり取り・攻防を繰り返すうちに、ダメージに対しての耐性が付いていきます。
仮に、かなり痛い攻撃技を受けた経験をしたとします。
後に、全く同じ技を受けるとどうでしょうか。
最初に受けた技よりはダメージが少ないはずです。
痛みに対しての耐性ができているからです。
日常生活において、空手で受けたことがある攻撃技と同じレベルまでのダメージなら、ケガに至る確率は下がると思います。
③受けた痛みが重症か軽傷か自己判断できるようになる
フルコンタクト空手を継続していると、どうしてもダメージを受けることがあります。
おそらくは、どなたも稽古後に体のどこかが痛いことを経験したことがあるのでは?と思います。
何回も経験すると、そのダメージが重症か軽傷か自己判断できるようになります。
私の具体例を記載します。
入門して約2か月くらいの白帯の時、黒帯の先輩に攻めていた際、ローキックをブロックされて、足の親指を痛めました。
初めての経験だったこともあり非常に痛かったと記憶しています。
翌日になっても痛みが引かず腫れてきたので、整形外科に行き検査したところ、骨に異常は無しでした。
その後、数日で治りました。
もちろん、骨折の疑いがある時は病院に行くべきですが、今でもこの時の経験が、私の中での骨折したかどうか(重症か軽傷か)の自己判断の基準になっています。
また、骨折までいかなくても関節系の痛みが長引く場合は、整骨院・接骨院に行ってスパッと治療すべきとも考えています。
特に捻挫は放置したら直りが遅いです。
過去に1カ月以放置して良くならず、整骨院での治療で完治したこともありました。
このように、痛みに対する自己診断ができることは、ちょっとしたことで病院に行かないことに繋がり、空手に限らず日常生活でも役立ちます。
繰り返しになりますが、あくまでこれまで受けてきたダメージの範疇の話です。
範疇外と感じるなら病院に行きましょう。
まとめ
今回は、黒帯取得すると得られる日常生活におけるメリットを記載しました。
①素人の攻撃が怖くなくなる
②ちょっとしたことではケガをしなくなる
③受けた痛みが重症か軽傷か自己判断できるようになる
私の主観・経験から挙げました。
特に、フルコンタクト空手を含む直接打撃系武道の経験者の方はよくわかるのでは、と思います。
黒帯取得を目指して稽古を積んでいる方、
またこれから空手を始めることを検討されている方、
今回のようなメリットは一朝一夕で得られるものではなく、長期的な稽古継続が前提です。
長期継続するには、自分のペースで稽古することが重要です。
空手を長期継続することで、今回の日常生活に役立つメリットが得られることは、本ブログのテーマである「生涯武道」にも繋がると考えております。
今回は、以上です。
以下記事も参考に。