組手・実戦において「小さなスキを大きく崩す」ことが重要です。
具体的には、相手のちょっとしたスキを、ステップ、引きつけなどを使って、大きな崩れに持ち込みます。
今回は、なぜ「小さなスキを大きく崩す」挙動をするのか、その理由を記載します。
最初に結論です。
①攻めの効果が大きい
②安全な体勢が取れる
今回のテーマ「小さなスキを大きく崩す」は、芦原カラテ技術書に、格言として掲載されています。
具体的には、書籍「実戦!芦原カラテ パート1」86ページの「芦原カラテ格言集」です。
↓ 実戦!芦原カラテ パート1 ↓
改めて本技術書を読み返して、サバキ技術向上のための重要なポイントと再認識したので、今回記事にしました。
達人の芦原英幸先生(著者)のベースは、実戦・ストリートファイトで使える空手です。
芦原空手(芦原会館)の関係者の方はもちろん、空手全般、ひいては、格闘技・武道全般にも通ずる真理ですので、どなたでも参考にしていただければと思います。
それでは、深堀りします。
①攻めの効果が大きい
経験者同士がお互いに構えて向かい合い、五分と五分の状態を
「自分10:相手10」
と置きます。
数値は「崩れ具合」つまり安定性を示します。
この状態で攻撃技を出すと、当然相手はガード・受け・避けの挙動を取り、まずクリーンヒットしないでしょう。
お互いに動く組手において、相手に少しでもスキができるなら、
「自分9:相手8.5」
と差ができます。
この小さな差が「スキ」つまり「つけ入れる箇所」です。ステップ・引きつけ・他(もちろん攻撃技もOK)を用いて、さらに相手の崩れを大きくします。
「自分9:相手6」
位まで崩し、そこから攻撃を加えると、五分五分より、効果的ダメージを与えることができます。
(※数字は例です)
相手の「スキ」を見つけるためには、目の置き方が重要です。
②安全な体勢が取れる
上述のように
「自分9:相手6」
までもっていくと、崩れ具合で差が付いています。
相手が自分より崩れている状態で攻撃してきたとしても、クリーンヒットすることはないので、安全な体勢がとれています。
さらに崩して、巻き込み投げで相手の頭を地面と膝で挟み込んだ状態
(※芦原空手の「組手の型」1~5の「9の挙動」後の状態)
までもっていくと、完全に制圧した状態となり
「自分9:相手0」
となります。
安全な体勢をとった上で、あとはトドメ攻撃だけです。
まとめ
今回は「小さなスキを大きく崩す」理由を記載しました。
①攻めの効果が大きい
②安全な体勢が取れる
相手のちょっとしたスキを、ステップ、引きつけなどを使って、大きな崩れに持ち込みます。
そうすることで、自分はより有利・安全な体勢を取ることができます。
これは芦原空手の核心の
「より小さな動きを積み重ねて、相手の崩れを大きくし、より安全確実に倒すこと」
そのものです。
私としては、色帯時代には、今回の技術を意識することはなかったです。
道場でも今回のような概念的な指導はされてなかったと記憶しています。
私自身が理解できてなかっただけかもしれません。
黒帯になり、サバキ技術追求の過程で、芦原空手の技術書を読み返すうちに、ようやく理解できた内容です。
「サバキ」は制圧・護身のための技術と勘違いされることがありますが、本来は攻めのため崩し技術で、相手にケガをさせないために制圧しているだけです。
今回の格言を深堀りすることで、私自身としても再認識できました。
今回は以上です。
以下は、攻めのタイミングに特化した記事になるので参考に。
ポイントは、相手が体勢を立て直す前、つまり「崩れ」です。
芦原空手がどのような空手か?以下技術書に凝縮されています。
芦原空手の概要がわかる漫画もあります。
芦原空手の「基本稽古」・「型稽古」は、下記商品でまとめて学べます。