前回記事で、
「力み(りきみ)はスピードとパワーを殺す」
この理由を記載しました。
今回は
力み(りきみ)を取るにはどんな稽古をすべきか?
を考えてみました。
最初に結論です。
①基本稽古
②フリーの組手
③立禅
私の専門は芦原空手(芦原会館)です。
芦原空手はもちろん、武道全般に通ずる内容もあるので関係者は参考にしていただければと思います。
それでは深堀りします。
①基本稽古
空手の基本稽古では、単一の
・突き(パンチ)
・蹴り
・受け
を鍛錬します。
基本稽古では、まず各技の形を覚えます。
技の形を覚えたら、脱力して打ち、インパクトの一瞬に力を集中させます。
力みのない技を出すために、基本稽古でインパクトのタイミングを掴むことが必須です。
②フリーの組手
実戦(組手)での、力みをとるためには、シンプルに組手慣れが必要と考えております。
芦原空手の場合はサバキ(色帯は黒帯に攻め、黒帯はローキック・ブロック・投げ・他で制圧)も含まれます。
そもそもですが、法治国家の日本で普通に生活していたら、お互いに向かい合って、殴る・蹴るをすることはまずないです。
組手自体が非日常な動作ですので、最初は緊張して当たり前です。
もちろん私もそうでした。
緊張したら、どうしても力んだ動きになります。
フリーの組手の緊張感に慣れるためには、ある程度は、組手の数をこなすしかないと考えています。
③立禅
これは上級者向けです。
上述2つは空手のメニューですが、さらに上のレベルを目指すなら、中国拳法の「立禅」が力みと取るために有効な稽古方法と考えております。
立禅の方法については、過去記事をご参考に。
ただ長時間立つだけの立禅がなぜ力みをとることに繋がるか?
私の考えとしては、
人間の本能が解放されて自然な動きができるようになるためです。
自然な動きということは、力みの無い状態です。
池の中の鯉に対して、投石すると、石が池に入った瞬間に鯉は散っていきます。
極端な例ですが、立禅を続けるとこれに近い感覚が養われます。
投石の鯉は、以下の澤井先生の本から引用しました。
特に武道経験が長い方、目からウロコ的内容が多々ありますよ!
まとめ
今回は、「力み(りきみ)を取るにはどんな稽古をすべきか?」を記載しました。
①基本稽古
②フリーの組手
③立禅
私が考える力み(りきみ)の無い動きの最高峰としては、芦原英幸先生の技と考えております。
尋常ではない技の切れで、武器に例えるなら日本刀です。
以下商品で確認できますが、脱力とインパクトを極めた動きです。
私は、達人の芦原先生に程遠いですが、あくまで理想の動きとして参考にしています。
達人の芦原先生も「基本稽古」を重視していて、審査では基本稽古を見ただけで当人のレベルが計れたようです。
空手の基本稽古の重要さがよく分かります。
基本稽古をマスターした上で、「フリーの組手」、「立禅」を継続すると、習得した力みのない基本技をより出しやすくなります。
最後に、今回の名言 「力み(りきみ)はスピードとパワーを殺す」 は以下の技術書の34ページに掲載されています。
今回は以上です。
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