「リードするかされるかで、勝負は決まる」
これは、達人の芦原英幸先生の指導内容・格言です。
今回はその理由について、考察します。
最初に結論です。
理由: 大きな崩しに繋がるから
私の専門は芦原空手(芦原会館)ですが、今回テーマは全ての打撃武道に通ずる内容です。
シンプルですが、理解して実際の組手に落とし込むことができると、確実に武力が上がります。
それでは、深堀りします。
リードしている状態とは?
空手の組手では、最初に挨拶して、お互いに組手構えで向かい合います。
お互いに構えた状態は、どちらかが有利ではなく、五分と五分(10:10)の状態です。
組手を開始すると、お互いの攻防により、均衡はなくなり様々な状態に変化し続けます。
組手では、止まることはNGです。
理由は、止まっていては、自分が崩れていき、最終的にはKOです。
相手をリードしている状態とは、ほんの少しでもいいので、相手を崩している状態を指します。
数値で例を示すと、完全にスキのない構えを「10」とすれば、リードしている側は「9」、リードされている側は「8~8.5」のような状態です。
理由: 大きな崩しに繋がるから
上述のように、お互いに構えた状態から、初撃(ファーストコンタクト)で有効な打撃を入れて、リードできたら(=ほんの少しでも崩すことができたら)どうでしょうか。
相手は受けた打撃による崩れから体勢を立て直そうとします。
打撃を入れた自分は、体勢が整ってない(=防御されにくい)相手に対して、次の攻撃に繋げやすくなります。
少しでもリードしている状態を作り、そこからさらに小さな崩しを積み重ねることで、より大きな崩しに繋がれば、安全確実に倒すことができます。
これが、「リードするかされるかで、勝負は決まる」の理由と私は考えています。
初撃に打撃技を出す想定で例を挙げましたが、サバキ技術でも同様です。
相手の攻撃の初撃を「受け」・「ブロック」・「ステップワーク」・他技 で対処し、相手をリードすると(少しでも崩してやると)、同様にさらなる崩しに繋がります。
ちなみに、サバキの場合の指導内容・格言は、「実戦!芦原カラテ3」の140ページに掲載されています。
「サバキは、最初の当たりをリードするか、されるかで決まる。」
これも、実戦における本質をついています。
↓ 実戦!芦原カラテ パート3
まとめ
今回は、達人の芦原英幸先生の指導内容である
「リードするかされるかで、勝負は決まる」
の理由を深堀りしました。
相手をリードしている状態とは、ほんの少しでもいいので、相手を崩している状態です。
「リードするかされるかで、勝負は決まる」の理由は、大きな崩しに繋がるから
なお、今回テーマは、芦原カラテ技術書に、格言として掲載されています。
具体的には、書籍「実戦!芦原カラテ パート1」86ページの「芦原カラテ格言集」です。
↓ 実戦!芦原カラテ パート1
「より小さな動きを積み重ねて、相手の崩れを大きくし、より安全確実に倒すこと」
を理想と考えると、いかに相手をリードした状態にもっていくかが重要になってきます。
そのための各技術・稽古です。
組手・サバキでの戦い方において、個々の術が「枝」とすると、今回テーマは「根幹」の部分です。
まずは少しでもいいので相手をリードするために、1番重要なことは、初撃(ファーストコンタクト)です。
私の場合は、初撃をどのように対処するか、を考えることで、自分の稽古内容の幅が広がりました。
初撃をうまく対処するためには戦いにおける「見切り」「間合い」「タイミング」を習得する必要があります。
繰り返しになりますが、ほんの少しでもいいので、まずは相手を崩すことを意識しましょう。
今回は以上です。
↓世の中にあるサバキ空手の技術書として間違いなく最高レベルで、サバキ系空手ガチ勢向けです!
以下記事も参考にどうぞ。