皆さん、こんにちは!
以前に、相手のバックポジション(背後)に入ることができればすべての攻めができる、という記事を書きました。
今回は、具体的にバックポジションを取るための稽古方法を記載します。
最初に結論です。
芦原空手 投げの型3、4
私の専門は芦原空手(芦原会館)です。
芦原空手を含む空手全般に通ずる内容もあるので、ぜひ参考にしていただければと思います。
また、バックポジションがとれたら圧倒的に有利であることは、どの武道でも共通しているので、武道全般の関係者の方もぜひ一読いただき、少しでも新たな気付きがあれば幸いです。
それでは、深堀りします。
↓過去記事
バックポジションがとれたらどうなるか
芦原空手には「ポジショニング」という技術があります。
一言で書くと、
相手の攻撃が当たらず、自分が打てる安全な位置に身を移動させる動作です。
芦原空手では、正面からの打合いは極力避けるべきという理念があります。
正面からの打合いとなれば、体が大きく力が強い者が圧倒的に有利です。
武道の技としては、力がなくても、力のある者に打ち勝つことが理想です。
ポジショニングの中でも、最も有利な位置が今回テーマのバックポジションです。
バックポジションは相手から見ると背後になるので、完全に視界から消えて防御不能状態です。
防御不能のため、極論を言えばどのような攻撃技でもヒットします。
ただ、現実的に、正対から始まる組手で相手の背後に回ることは、かなり難しいです。
逆に言えばよほどのレベル差がなければバックポジションは取れないです。
芦原空手 投げの型3、4
バックポジションをとるための稽古法としては、芦原空手の「投げの型3、4」が有効と考えます。
理由は、シンプルに
型の挙動として、バックポジションを取るサバキ技術が入っているため。
具体的にバックポジションを取るサバキは以下です。
投げの型3 ③⑤⑦⑧⑨ の挙動
投げの型4 ③⑤⑧⑨ の挙動
1つだけ詳細を挙げます。
【投げの型3 ⑦の挙動】
相手の左前蹴りに対して、
ステップバックしながら下段払い →
相手左足の着地までに右ローキック(相手を内側へ回転させる) →
右ローキックを前に下ろしポジショニングしながら相手頭を引き付ける(この時点でバックポジションが取れている)→
バックからの相手頭引き付けを継続しながら崩れかかる相手の後頭部に左膝蹴り
詳しくは、以下技術書のP161~162で確認可能です。
言葉で書くと「ながら」の挙動が3つ入っていて、芦原空手が「ながらの空手」ということがよくわかります。
投げの型3、4を使いこなすためには?
あとになりましたが、前提の話です。
今回は、バックポジションを取るための稽古方法として、「投げの型3、4」を挙げましたが、上述のとおり各挙動を組み合わせた「ながらの空手」であることが必須です。
もちろん、適切なタイミング・間合いであることも必須です。
現実的に、これらの挙動を組手で使うレベルに持っていくには、そもそも芦原空手の基本的な動きを習得していることが必須条件です。
少なくても、以下稽古のある程度の経験が必要です。
・基本稽古
・ステップワーク
・約束組手
・組手、サバキ
どれも芦原空手の道場に通えば、習得できる内容です。
芦原空手の基本的な身のこなしができる前提で、今回の「投げの型3、4」を稽古したら、バックポジションをとる技術が習得できます。
ちなみにですが、今回の「投げの型3、4」は、芦原空手カリキュラム上でも上級者向けの位置付けで、芦原空手黒帯の指定型です。
正対から始まる組手で、相手の背後に回ることは、簡単ではないことの裏付けでもあります。
まとめ
今回は、バックポジションを取るための稽古方法を記載しました。
具体的な稽古法は
芦原空手 投げの型3、4
ただし、現実的に使うためには、ベースとしてある程度の空手技術の習得が必要です。
現実的に、正対から始まる組手で、相手の背後に回ることは、かなり難しい。
逆に言えばよほどのレベル差がなければバックポジションは取れない。
芦原空手の型は、理想のサバキの挙動を体系化したものです。
理想的なサバキの挙動である型の動きをするためにどうすればいいか?
本来はこれを考えて稽古すべきで、上達の糸口でもあると私は考えています。
また、武道技術の追求は、やっていて純粋に楽しいもので、本ブログのコンセプトでもある「生涯武道」にも繋がります!
今回は以上です。
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