「コンビネーションは1撃目、2撃目が決め手」
これは達人の芦原英幸先生の指導内容です。
今回はその理由を考察しました。
最初に結論です。
・最初の攻撃を確実にヒットさせて相手を崩さないと次の攻撃が続かないため
私の専門は芦原空手(芦原会館)ですので、サバキ系空手の関係者の方、サバキ技術に興味がある方に有益な内容です。
また、芦原空手は直接打撃制(フルコンタクト)のため、直接当てる武道全般で参考になる内容です。
それでは深堀りします。
コンビネーションとは?
最初に、芦原空手のコンビネーションについて記載します。
文字どおり、各技を繋げた連携技です。
芦原空手の場合は、目安として7~10種程度の技を繋げます。
あくまで目安なので、組み合わせ次第では、短くも長くもできます。
また、昇級・昇段の審査項目でもあります。
例として、白帯時の指定コンビネーションを記載します。
ポジショニングを入れると合計8種の技を繋げています。
【白帯のコンビネーション】
①右前蹴り →
②右パンチ →
③左パンチ →
④左中段回し蹴り →
⑤右ローキック →
⑥右足着地を斜め前に降ろす(ポジショニング)、右手で相手の袖口を掴み引きつけ、左手で相手の首を掴んで相手を回し崩し密着 →
⑦左膝蹴り →
⑧右ヒジ打ち
ちなみに、色帯以上の審査では自分で考えた、オリジナルコンビネーションでもOKです。
上記は芦原空手に特化した挙動ですが、簡単に言うと、
人気格闘ゲーム「鉄拳」の10連コンボのイメージです。
「鉄拳」は私が空手を始めたキッカケの一つでもあり、思い入れが強いゲームです。
現在でも楽しんでプレイしています。
各キャラ(=各格闘技)の動きが緻密に再現されていて、格闘技に興味がある方全般に、楽しめるゲームです。
理想のコンビネーション
コンビネーションは、ただの連続技ではないです。
攻防一体のテクニックを駆使して、相手の崩れを積み重ねて、最後のトドメまでもっていくのが理想のコンビネーションです。
攻撃技のみではなく、ブロック・受けから入る場合もあります。
芦原空手の型も、攻防一体でコンビネーションの集大成です。
最初の攻撃を確実にヒットさせて相手を崩さないと次の攻撃が続かないため
コンビネーションの際は、1~2撃目で、どのような形でもいいので相手の体勢を変化させること、つまり崩すことが重要です。
全く崩れてない状態で3撃目以降を放つとどうなるか?
相手がサバキ経験者なら、高確率でサバかれます。
サバキ経験者でなくても、1~2撃目で体勢が崩れてないなら、そのままガードでやり過ごし、攻撃に転じてくるでしょう。
いずれにしても相手の体勢に崩れがなければ連打は続かないです。
ちなみにですが、サバく側の目線からすると、相手に勢いをつけさせる前の1〜2撃目で対処するのが理想のサバキと考えます。
攻める側は、サバキをさせないためにも、1〜2撃目はできるだけ、相手の体勢を崩す技を放つべきです。
この攻めぎあいを繰り返すことで、お互いの組手・サバキのレベルアップに繋がります。
まとめ
今回は、達人の芦原英幸先生の指導内容である
「コンビネーションは1撃目、2撃目が決め手」
の理由を深堀りしました。理由は、
最初の攻撃を確実にヒットさせて相手を崩さないと次の攻撃が続かないため。
なお、今回テーマは、芦原カラテ技術書に、格言として掲載されています。
具体的には、書籍「実戦!芦原カラテ パート1」86ページの「芦原カラテ格言集」です。
↓ 実戦!芦原カラテ パート1
コンビネーションを組み立てる際、
まずは、最初の1〜2撃目で相手をどのような体勢に崩すか?
を考えましょう。
攻撃技だけでなく、受け技から崩してもOKです。
コンビネーションの集大成とも言える芦原空手の型では、受けから入る挙動が多々あります。
また、ヒントになる挙動も多々あるので、自分なりのコンビネーションを考える際にも芦原空手の型は応用できますので、特に芦原空手関係者は参考にしていただければと。
最後に、コンビネーションについても、突き詰めると、やはり芦原空手の理想である
「より小さな動きを積み重ねて、相手の崩れを大きくし、より安全確実に倒すこと」が根底にあると、私自身が再認識できました。
今回は以上です。
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