前回に続いて、達人の芦原先生の書籍「空手に燃え空手に生きる」から得られるメリットをご紹介します。
最初に結論です。
以下が得られるメリット7選です。
①達人の鍛錬メニュー:シャドウトレーニングが学べる
②攻めのタイミングのトレーニング方法が学べる
③実戦で役立つ技がよくわかる
④格闘技用の体重の目安がわかる
⑤ポジショニングの原点が学べる
⑥芦原空手の投げの本質が理解できる
⑦理想の攻撃が理解できる
今回は、⑤/⑥/⑦ について、深堀りしていきます。
今回は、特に芦原空手を含むサバキ系空手に特化した内容ですが、武道全般に通ずる真理もありますので、どなたでも参考にしていただければ幸いです。
⑤ポジショニングの原点が学べる
(本書より)
「とにかく、最初の一撃だけは全神経を集中させ、体のすべての運動神経を駆使して避けなければならない」
ストリートファイトにおける芦原先生の見解です。
当時の芦原英幸氏は、ケンカという実戦を多くこなしていくうちに、実戦では相手の技を食らわないことをまず第一に考えて動くようになっていました。
ステップワーク、ウィービングなどあらゆる動きを用いて、自分の体が相手の
「制空権内」つまり、「相手の攻撃が当たる範囲内」
に留まることのないように動いていました。
そういった動きをしながら、自分の攻撃だけが相手に当たるような戦い方をしました。
これがポジショニングの原点と考えています。
芦原空手のポジショニングについては、以下記事で詳しく記載しました。
⑥芦原空手の投げの本質が理解できる
(本書より)
「投げにいく手の動き、肩口を掴む手、アゴを押し上げる手は、本来、顔面へのパンチなのである。
それを理解した上で危険防止のために投げる。
投げが決められるというのは、その間に何発もパンチや蹴りを受けているのである。
投げるよりパンチ、蹴りを決めるほうが簡単なのだ。」
私も芦原会館の道場稽古では、このように教わりました。
道場運営者にとって、稽古における安全確保は最も重要ですので非常に理にかなっています。
これを理解した上でもう一歩踏み込みます。
芦原空手の「投げ」の本質は、投げるための技術ではなく、投げで崩れてきた相手にカウンター攻撃を入れるための技術です。
何故カウンター攻撃へ繋げる必要があるのか?を次項に記載します。
⑦理想の攻撃が理解できる
芦原空手における理想の攻撃は、相手を崩し、そこに合わせていくこと、
つまり「カウンター攻撃」です。
崩れて落ちてくる相手に攻撃を入れることは大ダメージに繋がります。
大ダメージに繋がる理由の一つは、防御不能状態の相手に対する攻撃のためです。
もう一つ、崩れ落ちる方向に動く運動エネルギーと、逆向きに動く運動エネルギーが衝突して相乗効果が得られます。
簡単に書くと以下の状態です。
加えて本書では、本当にタイミングのあったカウンター攻撃の破壊力について、現実の組手で起こった実例も含めて説明されています。
芦原空手における真のカウンター攻撃は、その破壊力ゆえに本当に危ないです。
下手したら、病院送りですまないかもしれません。
普段の稽古では、カウンター技はコントロールし、十分に安全に注意しましょう。
↓メリット⑥/⑦ の参考記事です。
まとめ
今回は、書籍「空手に燃え空手に生きる」から得られるメリットを3点記載しました。
⑤ポジショニングの原点が学べる
⑥芦原空手の投げの本質が理解できる
⑦理想の攻撃が理解できる
ポジショニング技術の原点は、自分の体が相手の「制空権内」=「相手の攻撃が当たる範囲内」に留まることのないよう動くことです。
「投げ」の本質は、投げるための技術ではなく、投げで崩れてきた相手にカウンター攻撃を入れるための技術です。
そして、理想の攻撃は、相手を崩し、そこに合わせていくこと、つまり「カウンター攻撃」です。
これらの技術は、芦原先生が現実の戦闘、つまり、ストリートファイトにおける経験の中から取捨選択・創意工夫した技術の結晶です。
本書では、各技術への発展過程がよく分かります。
芦原空手を含むサバキ系空手が趣味の方、各サバキ技の起源と発展過程を知ることで、技に深みが出ると思います。
また、ベースがストリートファイト故に、空手外の武道・格闘技にも落とし込める内容もあるかと思います。
少なくとも私は、本書により、空手技術に対する考え方が深まり、自分の空手修行内容を見直すキッカケになりました。
結果として、確実に武力UPに繋がっています。
さて、全3回で本書がテーマのブログを記載しました。
総じて言うと、強くなるためのキッカケが詰まっているのが本書「空手に燃え空手に生きる」です。
今回は以上です。
↓芦原先生の技術を深堀りしたおすすめ書籍です。
↓芦原先生の軌跡を追うことで、サバキ技術のルーツが考察されているおすすめ書籍です。
以下記事も参考にどうぞ。