「ミドルの間合いで止まっては倒される」
これは、達人の芦原英幸先生の指導内容です。
今回はその理由と、倒されない(ミドルの間合いで止まらない)ようにするための稽古方法を記載します。
最初に結論です。
理由:相手から見て最も攻めやすい位置のため
稽古方法として、3つ挙げました。
稽古方法①:芦原空手の型・約束組手
稽古方法②:立禅
稽古方法③:組手・サバキ
今回テーマ「ミドルの間合いで止まっては倒される」は、芦原カラテ技術書に格言として掲載されています。
具体的には、書籍「実戦!芦原カラテ パート1」86ページの「芦原カラテ格言集」です。
↓実戦! 芦原カラテ パート1
今回は、特に芦原空手(芦原会館)を含むサバキ系空手に特化した内容です。
初心者~上級者までご自身の武力UPに繋がれば幸いです。
また、打撃系武道全般に通ずる内容もあるので、どなたでも参考にしていただければと思います。
それでは、深掘りします。
間合いについて
まず間合いの詳細です。
ミドルの間合いとは・・・中段回し蹴りがクリーンヒットする間合いです。
ミドルから3〜5cm詰めるとショートの間合いです。
逆にミドルから3〜5cm下がるとロングの間合いです。
体格は人それぞれ違うので、厳密に言えば違ってくる場合もありますので、あくまで目安です。
↓参考書籍 間合いの距離感について、cm単位での説明が掲載されています。
理由:相手から見て最も攻めやすい位置のため
ミドルの間合いは、相手から見ると最も攻めやすい位置です。
理由は各攻撃技を出す際に、最も制約が少ないためです。
具体的に、ショートの間合いだと、パンチ、ヒジ、ヒザ、ローキックと技が限定されます。
ロングの間合いだと、各技は当たらない、当たってもクリーンヒットしないです。
最も攻められやすい位置で止まっていては、相手の技がクリーンヒットし続けるので、いつかは倒されます。
では、どうすればいいか?
間合い感の習得が必要と考えています。
間合い感の習得とは、具体的には、間合いのコントロールができるようになることを指します。
ミドルの間合いから、距離を詰めてショートへ、距離を取ってロングへと、常に自分が有利な間合いに身を置きます。
ここで重要になるのが、技の「見切り」と「タイミング」です。
適切なタイミングで適切な位置に身を置くには、相手の技を見切る能力が必要です。
以降は、間合い感を習得するための具体的な稽古法を記載します。
稽古方法①:芦原空手の型・約束組手
芦原空手の「組手の型」では各間合いによるサバキの挙動を体系立てて学べます。
具体的には、
組手の型1・2 ・・・ ショートの間合いからのサバキ
組手の型3・4 ・・・ ミドルの間合いのサバキ
組手の型5 ・・・ ロングの間合いのサバキ
今回テーマの「間合い感の習得」をするためには、上記の間合い別の型の挙動を約束組手で稽古する必要があります。
もちろん、一人で各型の稽古を繰り返し、サバキの挙動を体に染み込ませることも重要ですが、対人における間合い感を習得するには、実際に人を付けた稽古、つまり約束組手をすべきです。
↓参考商品 組手の型を含む公開済の型を全て収録。字幕解説付きのため、わかりやすく誰でも学べます。
稽古方法②:立禅
これは、芦原会館の稽古方法ではないので、あくまで、私の経験から稽古方法をとして挙げました。
相手の技を「見切る」ためには、武道用の目の使い方をすべきです。
具体的には、「遠山の目付」です。
読んで字のごとく、遠い山を見るような目の使い方で、相手の技(攻撃部位)に目線を置くのではなく、全体を見ます。
これは立禅をする時の目の使い方ですので、立禅を「見切り」を習得するための稽古方法として挙げました。
稽古方法③:組手・サバキ
間合い感を習得するためには、実戦(フリーで動く組手・サバキ)で経験を積むことが必須です。
理由は、実戦での間合いは常に変化するからです。
上述①②の稽古も当然重要ですが、現実的には、実戦に身を置いて慣れなければ、実戦における間合い感の習得はできないと考えております。
まとめ
今回は「ミドルの間合いで止まっては倒される」理由と、倒されない(ミドルの間合いで止まらない)ようにするための稽古方法を記載しました。
理由:相手から見て最も攻めやすい位置のため
具体的な稽古方法として、以下3つです。
稽古方法①:芦原空手の型・約束組手
稽古方法②:立禅
稽古方法③:組手・サバキ
間合い感の習得、つまり、間合いをコントロールできるようになるためには、適切なタイミングで適切な位置に身を置く能力、相手の技を見切る能力が必要です。
今回の稽古方法は、技の「見切り」と「タイミング」を習得することに重きを置いたものです。もちろん他にも稽古方法はありますが、特に効果的な3つを挙げました。
間合いに関する格言で、サバキにおいて「まずインファイトせよ」もあります。
今回テーマもそうですが、その理由を深堀りすると、組手・サバキにおいて、いかに「間合いのコントロール」が重要かよくわかります。
間合いのコントロールを意識し稽古することで、ご自身の武力UPに繋がれば幸いです。
今回は、以上です。
↓中国拳法の専門書、立禅を独学で学べます!
以下記事も参考にどうぞ。